新自由主義の正体は、資本原理の弱肉強食

今、貴方の、その所得の大半が、次々に資本に奪い返されている


  1. 日本の「新自由主義受胎」までの経緯概略

 「アーマコスト氏が1988年から1992年まで在日大使だった時、米国の『帝国主義派』のプロコンスル(属領総督)の役割を果たした。

日本をブッシュ政権の『新世界秩序』へ編入させるように努力したばかりではなく、日本の内政にも始終介入していた。

彼の影響が相当あったのは、当時の『影の将軍』と密接な同盟関係をつくったからである。…湾岸戦争の時、小沢が、ブッシュ、サッチャーの世界体制に日本を組み入れた。

戦争費用として、90億ドルの支出を無理やりに日本の国会に飲ませることに成功した。

その対価として、小沢が米国の代理人として、英国の『自由化』モデルに倣って日本を改造することが出来るように努力して、それに反対する日本の多くの組織を弱体化させ、小沢の影響を大きくするべくアーマコストがいくつかの政治不祥事を指揮した。」

 以上は、親日家の学者として多くの日本人に愛され続け、自身は、終戦以降の日本と共に歩み、日本文化と日本の庶民の暮らしに根付く思想を愛し続けたロナルド・ドーア氏の著書「幻滅」からの孫引きである。

 同著で氏は,「結局、その90億ドルの他に、湾岸に自衛隊の掃海艇をも送った」と語り、そこに注意書きとして、「特別ガソリン税で調達した90億ドル。有志同盟の中で湾岸戦争の負担が国民全体に押し寄せた唯一の国は日本」と書き込み、更に「政府の圧力で最高裁判所が『柔軟』に行った当時の解釈によると、憲法9条が『持たない』と主張する『陸海空軍』を海外に派遣することは許されていなかった。…『許されない海外派兵』に対して、米国支持派は『兵』とは闘う兵隊を意味するので、掃海艇を『海外派』とするのは何等法外ではない、と主張…もちろん後者の議論が勝った。

……その後の日本の『軍事的に普通の国』への移行を促したのは、北朝鮮のミサイル、および1996年の台湾海峡危機だった」と綴る。

そこにもまた、氏による更なる注意書きが書き込まれており、「実は、軍事予算で言うと、ドイツをしのぐ世界で六番目に大きい国」と、氏の敬愛した平和憲法を壟断する日本への失望を表明している。

 だが、多くの庶民には、ロナルド・ドーア警告は、どのように聞えるのだろう。

 氏の書き綴る言葉の一つひとつには、音を立てて崩壊をし続ける日本の悲惨な姿が貼り付けられている。

 そして、氏は、文字や言葉にこそ出していないが、弱者から順に押し寄せ続けている、この国で生きることの深刻な息苦しさと、一方の、「飼育されたような従順性」を嘆いているのだ。

 実際、水道民営化問題一つを取ってみても、みずからの今後の暮らしに重ねて、その背景を知ろうと努める人は極めてまれなようだ。

 小泉の「官でさえやれてることを、民がやれないはず無いじゃないか」のタチの悪いハッタリ催眠術は、まだまだ庶民の中に漂っている。

 新自由主義は、既に暮らしの大半に浸透し、暮らしを蝕んで増殖中というのに。

 (次回に続く記おおべしげてる)

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